第20話【手術入院③】私に子宮と卵巣があった、最後の夜

闘病記(マンガ)

「子宮と卵巣取るのに、なんの感傷もなかったのかよ」
と今になると自分でも思うのですが、
手術前日のわたしには、ホントにあまりそういったものはあまりなかったです。

なぜなら、わたしがとても好きな作家さんの作品に出てくる、次のような言葉が頭にあったから。

「神よ 
 願わくばわたしに
 変えることのできない物事を受け入れられる落ち着きと、
 変えることのできる物事を変える勇気と、
 その違いを常に見分ける知恵をさずけたまえ」

アメリカの神学者ラインホールド・ニーバーが書いたとされる、「平穏の祈り」と呼ばれるものです。

がんになったことや、手術で子宮や卵巣を取るということは、私には変えることのできない物事でした。
世の中には「手術をしない」という選択肢もありますが、私はそれを選ぶつもりはなかったので。

自分に変えられないことで、ジタバタしたってしょうがない。
だったら、落ち着いて、どーんと構えていたい。
この祈りの言葉のように。

自分にそう言い聞かせたいたんだと思います。
だって、どうしようもないことは、心配してもどうしようもないし。
心配してもどうしようもないから、心配しないことにしよう。よし!

……という流れでへらへらしていたら、周りから「無理してない?」とかえって心配されました。
そりゃ、してるよ。無理なんか。
無理して何も感じないようにしてたから、感傷も感じないわけで。

それでも、「まぁ、しかたないしな!」とつぶやくと、
不思議と受け入れられるというか、
自然と足元が固まり、背筋がスッと伸びて、呼吸がラクになる気もするのでした。
「しかたない」って、わたしは、腹の座ったいい言葉だと思います。

ちなみに、「平穏の祈り」が登場する、私の大好きな作品とは、
篠房六郎さんの『百舌谷さん逆上する』(篠房六郎著/講談社アフタヌーンKC)です!
ツンデレ美少女×ドM男子が送る、感涙必須の変態コメディマンガ、興味ある方はぜひ!

次回は「いよいよ手術。行ってきます!」です。 

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