というわけで、私はずっと「抗がん剤は美容液!」と思い込みながら、点滴を受けていました。うふふふふ。おバカです。
放射線治療を受けるときも同じ。
「放射線を浴びると、がん細胞がキラキラの粉に粉砕されて、キラキラがなんかいい感じに全身を巡って、美肌になる!」
そんなふうに思いながら、半笑いでニヤニヤしながら治療してたんです。
だいぶキモイですよね!
でも、そう考えるだけで、だいぶ楽しかったんです。
それに、せっかく研究者さんたちががんを治療するためにつくってくれた薬を、ただただ怖がるのは嫌だったし。
がんばってる私の体に対しても、「今体に入ってるものは、嫌なものだ」と感じさせちゃったら、余計ストレスになりそうな気がしたんですね。
それに、がん細胞を抗がん剤で「叩く」みたいなイメージも、私はちょっと怖いなって。
だって、がん細胞だって、私の体の一部なんです。
がん細胞からしてみたら、私の中で、ただ生きたいだけなんですよね。
まぁ、あんまり元気に生きられると、宿主である本体が死んじゃうので困るんですが……。
それを悪者みたいに捉えちゃうのは、ちょっとかわいそうだなと思ってました。
だから、黒くてトゲトゲしたがん細胞が、抗がん剤や放射線に触れると、魔法みたいに瞬時にキラキラキラ……となんかビタミン的な栄養豊富なものに生まれ変わる。
だから、わたし、治療のたびに美肌になっちゃうわ~!
そんなふうに思いながら治療を受けてたんです。
治療が長くなってくると、なかなかこうも言ってられないと思うんですけども。
でも、自分で自分のメンタルを楽しく保てたのは、けっこう嬉しかったです。
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