ここでは、子宮頸がん患者だった私が、病気が発覚した当初、わかりづらくて困ったことを簡単にまとめてみました。情報は書籍や病院等のサイトを出典としていますが、病気の正確な情報については、担当医にご確認ください。
そもそも、がんってどんな病気?
がん細胞は、無限に増殖を続ける細胞です。発症すると、どんどん増殖を続けて、周囲の正常な組織に侵入し、周りの正常な細胞を破壊することがあります(浸潤)。さらには血液やリンパ液の流れに乗って広がっていくこともあります(転移)。また、治療後にわずかでもがんが残っていれば、再び増殖がはじまるおそれがあります(再発)。
現在のがん治療は、手術、放射線、薬物療法(抗がん剤治療)など、いくつかの治療法を組み合わせる集学的治療が主流になっています。
子宮頸がんとは?
子宮頸がんは、子宮頚部にできるがんのこと。子宮頚部とは、子宮の下部にあって膣と繋がっている部分です。この部分の粘膜の細胞が、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染をきかっけに変化して、がん化していきます。(HPVについては、ページ下部で説明します。)
子宮頸がんには、大きくわけて2種類ある
子宮頸がんには、①「扁平上皮がん」②「腺がん」の主に2種類があります。
①「扁平上皮がん」は、子宮頚部の膣に近い側の表面をおおっている部分にできるがん。
②「腺がん」は、①よりも上部、粘液を分泌する腺細胞に生じるがんです。
ちなみにわたしは①「扁平上皮がん」でした……。
子宮頸がんは若年層に多い
子宮体がんや卵巣がんは40歳を過ぎたあたりから発生率が上がっていきますが、子宮頸がんに関しては近年20~30代の患者さんが急増しています。急増の原因として挙げられているのは、性交の低年齢化や、成功相手の複数化。子宮頸がんの主な原因は、性交渉によるHPV(ヒトパピローマウイルス)感染です。
「がん」と聞くとなんとなく高齢になってからかかる病気なような気がしますが、子宮頸がんに関しては、若いほど発生する率が高くなっています。
HPV(ヒトパピローマウイルスhuman papillomavirus)について
子宮頸がんの原因となるHPVは、性交渉の経験がある女性のうち50%~80%が感染していると推計される、とてもポピュラーなウイルスです。ウイルスの大抵は自然に排除されますが、なかには排除されずに感染が続くこともあります。感染が続くと、細胞が異常な形に変化した「異形細胞(異形成)」が現れます。異形成程度が軽ければ自然に元に戻ることもありますが、そうでない場合にがん化していきます。
ちなみに、HPVに感染してから子宮頸がんに進行するまでの期間は、数年~数十年と考えられます。
以上が、子宮頸がんのごく基本的な知識です。
わたしは子宮頸がんが見つかったとき39歳で、「30代(ほぼ40歳だけど)でがんって……ちょっと早くない?」と頭がクラクラしたものですが、こうしてみるとちっとも早くなかったみたいです。
繰り返しになりますが、「がんは年をとってからかかる病気」と考えるのは、大きな間違い。
子宮頸がんの症状である「不正性器出血」「性交渉後の出血」「おりものの異常(血が混じる、悪臭がする、など)がある人は、すぐに近くの病院で子宮がん検診を受診しましょう。
参考:
『子宮がん・卵巣がん よりよい選択をするための完全ガイド』宇津木久仁子監修(講談社)
公益社団法人 日本産科婦人科学会」サイト