第16話【入院準備⑤】「がんになったら、世界の色が変わりました」

闘病記(マンガ)

そう、ほんとうに不思議なことに、がんを宣告されてから、私の場合は、世界が一気に鮮やかに見えるようになりました。
その鮮やかさと言ったら、まるで原始の森にいるみたい。
なんというか、私にとって必要なものたちの色だけがとてもとても濃いのです。

おそらく、「死ぬかも」という恐怖で、アドレナリンが出まくってたせいだと思います。
そのせいで、感覚という感覚がやたらと過敏に。

大切なもののそばにいるだけで「幸せでたまらん!」と興奮状態に至るようになりました。
ナチュラルにラリっていたのでしょう。

この後、治療がヘビーになるにつれて、この感覚はどんどん強くなっていきます。
やがて抗がん剤治療が始まると、普通に呼吸しているだけで幸せで幸せでたまらないというナチュラルハイの極致っぽいところへ到達。
怖ければ怖いほど脳がバグって、些細なことで感じる幸せが大きくなるようです。

「さすがにこれはバグりすぎだな」と自分でも思いました。

とはいえ、このバグりのせいで、実家には以前よりちょっとだけ多く帰るようになりました。
仕事よりも、夫や小鳥や友人を優先するようになりました。
それまで無趣味ゆえのワーカホリックだったのですが、趣味でもないんだから、仕事は最優先でやることじゃないな、と考えるようにもなりました。

で、今に至ります。

ようするにというかなんというか、がんは怖いけど、治療をしている間、わたしはけっこうしあわせだったのです。
そしてその感覚は、今も続いています。

そんなわけで、アドレナリンがドパドパ出まくった状態で、わたしは子宮頸がんの手術に臨むことになったのでした。

次回は……「人には言えない⁉ 手術直前のセルフケア」です。

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